・2006年頃に出版された様ですが、最近この本を読むまで知りませんでした。(^^;
上巻は福岡の一部が占領され、占領軍が少しづつ占領地域に根付く活動が始まり、そんな中で
警察の特殊部隊が作戦行動を取ったところまで。
下巻は、一般社会不適格者達が占領軍を駆逐するための準備から始まる。
リアリティさを出すためにこまかなデテールの説明が随所にあり、私はそんな所は少し面倒に感じて結構読み
飛ばしてしまいましたが、一気読みしたくなる程、面白く感じた。
本の中に出てくるダメな政府官僚達の対応ぶりは、本の中だけでなく現実的にそうなってしまうのだろうと感じ
てしまうのは私だけではないだろうか。
3者(政府、北朝鮮ゲリラ、一般社会対応不適者達)からの視点で進んで行くストーリ展開がとても面白く、
少しづつ時間差を持たせて進める展開はスピード感があって良かった。
エンターテーメント性があると評論されている方もいますが、私がエンターテーメント性を感じるのは、
一般社会対応不適者達の視点で進むストーリの時だけで、その他の視点時は、息を呑むようなノン
フィクションに近い緊張感を感じNHKのドキュメンタリー番組を見ているような感じを受けた。
北朝鮮ゲリラの視線で進むストーリを読んでいると、平和ボケした日本人に渇を入れたくなり、北朝鮮
ゲリラの思考に自分が近づいている事を感じ、自分はもしかしたら洗脳されやすいタイプかちょ思った。
鍛えられた北朝鮮の反乱軍と名乗る軍隊組織に、日本の自衛隊や警察組織は対応出来ない事もこの本で
感じると、この本を今の政府官僚達に読ませたくなる気持ちになった。
この中に出てくる住民基本台帳問題も、このような非常時には非常に危険な情報に変わるものだと認識させられた。
そして、作者である村上龍は、この本で読者に何を伝えたかったのか・・・
それはまだ下巻を読み始めたばかりなので、詳しく書けない。(^^;